650形は広島での被爆体験を持つ路面電車です。いまなお現役で活躍しています。
いよいよ戦時色が高まる昭和17年、国策により広島瓦斯電軌から交通事業を分離した広島電鉄が初めて発注した半鋼製のボギー車です。
発注先は木南車輌製造。当時、大手車両メーカーは戦時下の需要で手一杯でした。
昭和14年に南海本線堺駅付近に工場を建設し台車や台枠の製造に携わっていた創業者の木南(きなみ)吉三は 路面電車事業者の需要に応え「木南スタイル」と呼ばれる路面電車を各地で登場させます。
650形もそうです。
台車はブリル77Eですが当時アメリカから輸入していたとは考えにくくコピーされたモノと考えられます。
直接制御器のKR-8もOEMあるいは中古品であったかもしれません。
しかし戦災を経てもこれらは復旧され 永く使用され続けました。
これは製品自体が猿まねではなく しっかりとした造りであったことに他なりません。
654は老朽化、655は事故により除籍されましたが 現在も651 ~53が在籍しています。
被爆電車であるということが注目されるのは当然かつ自然の流れです。
しかし 物も人もなかった時代に急場しのぎではない車輌を製造した木南車輌製造のクラフトマンシップにも思いを寄せていただきたいと思うのです。
650形 653 (被爆電車)

撮影1983.3:己斐
広島電鉄650形 651-54 1942年 木南車輌製
12.380: 2.438: 3.389 16.2 t 80 名
台車:77E ブリル モーター:SE-133 38kw ×2
参考文献 rp688/593 2000.4/1994.7
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