江ノ島電鉄 10形 10-50 1997年~ レトロ電車 カルダン駆動

江ノ島電鉄 10形 10-50 1997年~ レトロ電車 カルダン駆動

10形は1997年に東急車輛で製造されたレトロ電車です。
私はレトロ電車について かつて実在した旧型車を復元した復古電車と 特にモデルとなる車両がない、いにしえの雰囲気を醸し出す懐古電車 とを区別して考えるべきだと思っています。
10形は懐古電車です。ダブルルーフ風の車体をもつクラシックなヘソ電に「オリエント急⾏を彷彿とさせるデザイン・塗⾊(江ノ電HPより)」があしらわれています。
⾞内も天井中央部を高くし丸形の灯具を配置するという懲りようです。また窓上部には曲線をとりいれ木目調の壁面と相まってレトロな雰囲気を造り上げました。

一方で
 足回りは2000形と同じカルダン駆動車です。加えて当時としては目新しいシングルアームパンタ(江ノ電初)を搭載しました。
こんなのレトロじゃないと思われる方もおられるでしょうね。

江ノ電には長い歴史と伝統があります。10形は江ノ電 開業95周年記念となるレトロ電車です。
10形は「江ノ電が永く地域に愛されてきたことを思い起こしてもらおうと企画された両」であることは間違いありません。加えて江ノ電には忘れてはならないもう一つの要素があります。それは電車自体が観光資源であることです。
かつて経営状況が厳しかった江ノ電は1000系電車の多くをフルラッピングの広告電車にしました。
一方で旧塗装の300形も走らせてきたから鎌倉高校前 1号踏切が「スラムダンク踏切」という聖地になったのだと思います。
江ノ電はその施設、設備を考えればこれ以上輸送力をUPすることはできません。また海岸沿いを走行することから塩害対策することも必要です。そこで合理的に考えれば静岡鉄道1000形のような両開きドアのステンレスカーを江ノ電サイズにするのがベストということになるでしょう。
でも考えても見てください。わざわざ江ノ島まで来てそんなギラギラのステンレス製通勤電車に乗りたいと思いますか?
「絵になる」今の言葉でいえば「映える」電車が江ノ電には求められているのです。そのためには非日常を演出できることが必要です。
実のところ10形は両開きのドアのステンレスカーです。しかしそんな日常的合理性をみじんも思い起こさせない演出こそが10形の強みなのです。

そんな10形が以後の江ノ電の電車のあり方に大きな影響を与えたと私は考えています。

1998年と2016年撮影の画像をご用意しました。海側と山側なので足回りの機器は違いますが車体デザインは全く変わっていないようです。
リニューアルはされるのでしょうか?だったらどんな風に?ちょっと楽しみです。

10形 レトロ電車

10形(10-50)1997年東急車両製
25.400:2.500:4.000 41.8t 144名(57席)
台車:TS-829A(TS-830A) モーター:TDK8005-A   50.0kw×4
関節自動制御:ACDF-M450-789A-M 発電ブレーキ付き電空併用ブレーキ
参考文献 江ノ電-懐かしの電車名鑑 湘南倶楽部編 2003年
Wikipediaほか

50 海側 1998年撮影

10 海側 1998年撮影

撮影1998.8:鵠沼

江ノ島電鉄 10形50 1997年 東急  カルダン駆動
←藤沢①    Mc1-Mc2    鎌倉②→
デハ10-デハ50
参考文献 私鉄電車編成表97年版 では形式が「デハ10形」となっています。

10 山側 2016年撮影

50 山側 2016年撮影

撮影2016.12:江ノ島

ダブルルーフ風カバーのおかげで たたんでしまったシングルアームパンタは かさばらないもんで全く見えません。
しかしちゃんとついています。1998年の画像でご確認ください。
冷房装置は路面電車に広く採用されている三菱電機製の定番CU77系です。2000形のCU77AE1から制御素子をIGBTを使用したCU77AE2に変更されています。
これもカバーから隙間からかすかに見えているだけですが…。

-路面電車研究- INDEX   →鉄道車両写真集index
江ノ島電鉄 路線まとめ  106形 300形: 301F 302F 303F改 304F改 305F  306F 500形
1000形まとめ1000番台  1100番台  1200番台   1500形   2000形 
レトロ電車: 10形 20形 新500形  転入車:600形 800形

路面電車研究カテゴリの最新記事