JR西日本の381系もいよいよ最後の時が近づいてきたようです。
今となってはJR東海の381系など忘れ去られているのではないかと思うほどです。
1995年には383系(「ワイドビューしなの」)への置換えが始まり、 1996年以降 臨時列車に残るのみ。
そして2008年5月には全廃されたのですから存在感がないのはしかたのないところでしょうか。
でも私にとっての381系は「しなの」なんですね。
振り返ってみると個性的な改造車両も存在します。ぜひ続きをお読みください。
グリーン車はすべて改造、先頭車に
381系は曲線通過速度を向上させることを目標に開発された振子式特急電車です。
1973年の中央西線電化時に特急「しなの」用に投入され 1978年には「くろしお」用にも投入されました。
国鉄分割民営化時に在籍した277両のうちJR東海には「しなの」用に88両が継承されました。
国鉄末期、神領電車区に配置されていた381系はD編成9連×9+予備車7両。
うちグリーン車はサロ381のみで10両です。
JR東海では D編成を直ちに6連化。10両あったサロ381は全て先頭車改造しました。
クロ381形0番台 クロ381-6(もとサロ381形 先頭車改造)
クロ381形0番台は1987年に改造されました。
(サロ381-8・9・5・3・1・2・4 → クロ381-1~7)
うち-1、-2 の落成は3月31日=国鉄最後の日です。
よってクロ381は国鉄最後の新形式となります。
不足するクロについてはクハ381形をグリーン車仕様に変更しました。
クロ381形50番台 クロ381-51 (もとクハ381形)
クロ381形50番台です。1988年に改造されました。
(クハ381-7・13・11・17・5 → クロ381-51~55)
内装のみの改造なので外見はそのままです。
さて10両あったサロ381は全て先頭車改造したのですが 0番台は7両。
のこり3両は… というとパノラマグリーン車に改造されていました。
JR東海にもいた381系 パノラマグリーン車
クロ381形10番台 クロ381-11(もとサロ381 パノラマグリーン車)
クロ381形10番台です。1988年に改造されました。
(サロ381-6・7・20 → クロ381-11 ~13)
前方1/3は展望室で側面窓を拡大、床も150 mm かさ上げされています。
(後方は従来のグリーン室のまま)
展望室の後方に車掌室を設け 車両中央部に出入口を設けています。
結果、クロ381形の出入り口は前方、後方、中央 と3通りあるということになります。
どうしてパノラマグリーン車が3両だけなのでしょう。
JR東海は1988年3月のダイヤ改正に向け「しなの」を増発することにしました。
そのためには381系を短編成化し先頭車を確保しなければなりません。
JR東海はサロに運転台を取り付けることで乗り切ることにしました。
担当は名古屋工場です。1年の間にサロ10両をクロに改造するのは至難の業です。
なにせアルミ車体に運転台ユニットを取り付けるのですから。
前述したように国鉄時代から着手し 足らずはクハを改造することで凌ぎました。
クロ381-3:1987.7落成~クロ381-7:1987.12落成
クロ381-51:1987.10落成~クロ381-54:1987.12落成
サロをパノラマグリーン車にするというアイデアは当初からあったと思うのですが
ダイヤ改正に間に合わせるため なんとしても年内に数を揃えることを優先したのです。
クロ381-11:1988.1落成~クロ381-13:1988.4落成
JR東海 381系 (しなの) P1~3編成6連 編成表
←長野① ⑥名古屋 大阪→
P1:クロ381_11 – モハ381/380_15- モハ381/380_4- クハ381_18
Tsc- M1-M2 – M1-M2-Tc Tscはパノラマカー11~13 1988年 サロ381改
所属 海シン 参照:JR電車編成表93年夏版
引退後 美濃太田車両区に留置されていた クロ381-11は 2011年にオープンした「リニア・鉄道館」に展示されることになりました。
しかし 2019年車両の入れ替えが行われ クロ381-11パノラマクリーン車は展示終了となり姿を消しています。
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