東武634形は「スカイツリートレイン」の愛称を持つ東武版ジョイフルトレインです。
なんでも形式の「634」は東京スカイツリーの高さ634 mにちなんだものだそうですが 建造物の高さをそのまま電車の形式にするというのは世界広しといえどもこの1例だけだと思われます。
634形(6050系) 634_21F 634-22 スカイツリートレイン①号車
撮影 2015年3月 春日部
ちなみに新車ではありません。
6050系の2編成(2連×2=4両)を改造したものです。
種車となる6050系は 伊勢崎線・日光線の快速・区間快速用の2ドアセミクロスシート車です。
6000系の車体更新車としてデビューしました。
1985~86年に2両編成×2本の計44両が登場しました。
6000系の主電動機・台車・抵抗器・電動空気圧縮機 (CP) などを流用していますが 車体は勿論、制御器も新調しました。
6000系と同じく電動カム軸式ですが 野岩鉄道乗り入れを考慮して耐寒耐雪設計です。
1985~86年には100番台が2編成 (61101/102F)が追加されました。
これらは新造車で、台車をミンデンドイツ型(FS357/057)からSUミンデン型に変更しています。
(なおこの2編成は野岩鉄道開業に合わせて同社に譲渡されています。)
そして1988年には 新造車が7本 (6173~79・103F(野岩鉄道車)201F(会津鉄道車))追加投入されました。
日光は勿論 会津田島まで乗り入れるパフォーマンスをもつ6050系です。
そのうち6177Fと6178Fを改造したのが634形です。つまり新造車グループですね。
総合車両製作所横浜事業所で車内を高床化し展望窓を設置しました。
この屋根から回り込む天窓のような展望窓が大きな特徴です。
さてこの634形がデビューする2年半前、350系の53Fが2010年4月から8月にかけて「スカイツリートレイン」として運行されていました。
東武鉄道 350系 352F スカイツリートレイン
撮影 2010年8月:春日部
ただ、これらの前面や側面には「スカイツリートレイン」のラッピングが施されてはいたのですが、
車内はというと東京スカイツリーの写真等を展示している程度で、大きな変更はありませんでした。
しかし、結構反響があったのですね。
この成功が、634形を生むきっかけになったのです。
東武鉄道のHPによると「東武沿線からスカイツリーへ」「スカイツリーから日光・鬼怒川へ」をコンセプトに 634形は製作されたそうです。
沿線から東京スカイツリータウンへ乗客を誘うだけでなく国内外から東京スカイツリータウンを訪れた多くの観光客に日光・鬼怒川等、沿線の様々な観光スポットを楽しんでもらうために非日常空間を車内に創り出したというわけです。
前述の展望窓に加え前面展望が可能な「展望スペース」や「サロン」を設置したのもそうしたコンセプトに基づくものです。
そして うれしいのは多彩なシート配列です。
カップルや夫婦、親子による二人旅、一人旅や家族旅行、女子旅等、様々な旅行形態に対応しており100系スペーシアとは違った、新たな鉄道旅の楽しみ方を提案しています。
*この記事は2015年6月に書いたものを元にしています。
634形(6050系) 634_11F 634-11 スカイツリートレイン④号車
東武鉄道634形 スカイツリートレイン 2両編成 編成表
←浅草② 日光、鬼怒川①→
634_11F=6177F改/634_21F=6178F改
634-11_634-12/634-21_634-22
Mc-Tc 2012年10月デビュー 撮影 2015年3月 春日部
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