2023年3月 通称 和田岬線から青22号の103系が引退しました。
とうとう103系はJR西日本においても体質改善40N車である3000番台、3550番台を残すのみです。
画像をご覧ください。
森ノ宮電車区 01編成⑧ クハ103-261 タイプⅢ
1973年製 2002.11.7 改造 2017.12.26廃車
首都圏の皆様には戸袋窓無しの103系に違和感を感じられるかもしれません。
ですがJR西日本の103系はそのほとんどの戸袋窓が埋められ かつその姿が永く見られました。
ですから関西人にとって この画像は どこにでもいた103系に思われるのではないでしょうか。
しかし マスクは桟のない一枚窓。天井はというと あの古風なグローブ型ベンチレーターがありません。
これはJR西日本の体質改善車の特徴です。
でもサイドはというと体質改善工事前の姿に見えます。
実は この中途半端な103系こそ体質改善30N車なのです。
体質改善30N車とは 1973年以降に製造された103系のうち 従来の更新工事を全く受けずに残っていたクハとモハを対象に改造されたものです。よって クモハ、サハは存在しません。
先に改造された体質改善40Nと寿命をあわせるカタチでなされたもので、内装以外は大幅に簡素した改造工事となっています。
結果 こちらのほうが新しい改造車ですがサイド( ドア・側窓・屋根樋等)が原形のままです。
ただ前述したように運転台は一枚窓。屋根の上のグローブ形ベンチレーターは撤去されています。
なお編成の全てが30Nというのは日根野区のHK612編成6連しかなく 他は混成編成です。
103系 HK612編成⑥ クハ103-825 タイプⅣ
1980年製 2004.10.14 改造 2018.1.30廃車
ここで体質改善40N車についても確認しておきます。
103系体質改善40N試作車は207系並のアコモデーションを目指し かつ「延命N40」以上の徹底した延命工事が施工された103系究極のリニューアル車です。
試作車編成である07Fは森ノ宮電車区に配置され1996年4月から環状線で活躍を始めました。
ちなみに07Fは 中間車(T409+T404)を除き日根野区へ転属、2013年3月に廃車されました。
103系 体質改善40N試作車 07F① クハ103-245 タイプⅢ
1973年製 1996.. 改造 2013.3.18廃車
ここで彼女(クハ103-261:体質改善30N車)の声に耳を傾けてみましょう。
「フジコ(245号機)が体質改善工事を受けたときはうらやましかった。
だって本当にかっこよかったんだもの。
だから 自分にもその順番が廻ってくるのを心待ちにしていたのよ。
そして待ちに待ったその日がやって来た時はもうドキドキ。
でも…。目を覚ましたときには 昭和レトロな姿のままだった。
体質改善工事とはいっても30N工事は内装がメインだったの。
今回は40Nの仲間たちと寿命を合わせるための工事で いわば終活ってワケ。
そう考えるとちょっと切なかった。
けど終活っていうのは今の自分に要るものは何か。今しなければならないことは何か。を考えること。
そして それはね。同時にムダなものはとり入れず 今の自分を少しでも 活かすことだとも気付いたの。
だから。お客様に明るい車内をご提供できたことは本当によかったと思ってる。
当然ここで気付いた大切なことは仲間たちにも引き継いでいかなきゃならないし…。
ウン。まだまだ やることはいっぱいあるんだから」
私は 彼女たちがいたからこそ 和田岬線のR1編成があの姿でここまで頑張り続けることができたのだと思っています。
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