「試作車その後」JR西日本 681系1000番台 珍車ギャラリー#052

「試作車その後」JR西日本 681系1000番台 珍車ギャラリー#052

長野新幹線は仮の名で北陸新幹線というのが正しいのです。
長野から先、直江津、糸魚川、富山をへて金沢までが現在工事中です。
今後、敦賀まで伸びる予定ですが、そこから先はどうなるのでしょう。
(注;この記事は2006年3月に書いたものです。)
いずれにせよ東京から新幹線が延伸されてくるイメージです。
関西の人間にとっては金沢であるいは敦賀で北陸線から乗り換えさせられる訳で迷惑な気持ちにすらなります。
関西人にとって北陸線は湖西線を含め大阪を起点とする幹線だという思いがあるのです。
そして その象徴ともいうべき存在が 特急「 雷鳥」であり「サンダーバード」です。

湖西線ができ北陸トンネルが貫通してからもスピードアップが図られ北陸線は速くなりました。
大阪-富山間、82年には4時間かかっていたものが95年のスーパー雷鳥に至っては 3時間22分です。

そんな北陸線で大活躍した国鉄時代の遺産485系に変わってJR西日本が導入したのが681系です。
北陸線での使用に特化した耐寒耐雪仕様の高速車両でスチール製のシンプルなデザインは控えめな印象を与えます。
ですが 1M2Tの経済的な構成でありながら160km/h運転を可能にする在来線最強の潜在力を秘めているのです。
在来線における高速運転に正面から挑んだのが681系ということが出来るでしょう。
優れた性能が評価され特急「はくたか」用の681系は在来線初の160km/h運転を開始しました。
加えて北越急行も同系車HK681系「スノーラビット」を導入し160km/hで運行中です。

しかし、現在のサンダーバードに限っていうと大阪-金沢間の所要時間は2時間27分。
停車駅が倍程ある485系雷鳥より24分早いだけです。
これ以上サンダーバードを速くすると30分前に大阪を発車する雷鳥を追い抜きかねないためでしょうか。
サンダーバードの最高速度は未だ130km/hと控えめなのです。
681系試作車はデビュー後13年を超えました。
まだしばらくはその活躍を見られそうですが160km/hで営業運転する姿を見ることは出来るのでしょうか。

92.7 試作車登場時
席数 64  ト    68 72  ト    68 72 多目的室、ト46 車掌   68  ト   68 G39
大阪 金沢
クハ680 モハ681 サハ680 サハ681 モハ681 サハ680 モハ681 サハ680 クロ681
101 101 201 201 101
T`c M Tp T1 M1 Tp2 M2 Tp1 Tsc

クハ681_1試作車 クハ680_1      金沢駅  92.12.29

95.2~3 681系量産車
障;対応 56 72 56 64 68 46 68 68 G36
クハ681 モハ681 クハ680 クモハ681 サハ680 サハ681 モハ681 サハ680 クロ681
1~7 2~7 501~7 501~6 1~11奇 201~6 202~6 2~12偶 2~7
T`c M Tpc5 Mc5 Tp T M Tp Tsc
金沢 大阪
T11~17編成 T01~06編成

クハ681_8(はくたか用)       富山駅  97.8.9

量産車は七尾線への乗り入れを考慮し6連+3連で分割できるように改良されました。
その結果、貫通構造をもつクモハ681-500 とクハ680-500が登場します。
しかしまだ車歴の新しい試作車には適用されず、9連のまま量産化改造されます。

95.3~4 量産化改造U01編成
トイレ増  56 72 72 68 68 46 68 68 トイレ増G36
金沢 大阪
クハ680 モハ681 サハ680 サハ681 モハ681 サハ680 モハ681 サハ680 クロ681
1001 1001 1001 1101 1101 1201 1201 1101 1001
T`c M Tp T1 M1 Tp2 M2 Tp1 Tsc

クハ681_1001 量産化改造車 クハ680_1001(量産車改造)     大阪駅  99.12.31

量産改造車は量産車と同じくクロを大阪よりに方向転換しカラーリングを変えた点が外見上の違いですが中身が大きく変わりました。
T-Tp-Mの3両で1ユニットを構成していたものがM-Tpの2両でユニットを組むようになり編成の自由度をアップさせています。
とはいえ実際には共通運用はできません。
9連固定で運用するスジにしか運用できない分現場泣かせの車両だったと想像できます。
(もっとも珍車ハンターにとっては狙いを定めやすかったわけですが)

2001.1~ 683系
障;対応 56 72 56 64 68 46 68 68 G36
クハ683 モハ683 クハ682 クモハ683
サハ682 サハ683 モハ683 サハ682 クロ683
701~ 1300~ 501~ 1501~ 1~ 301~ 1001~ 2~ 1~
T`c M Tpc5 Mc5 Tp T M Tp Tsc
金沢 大阪
~編成 ~編成

クロ683_1

クロ683_1  大阪駅 2006.1.4

クモハ683_3509 特急しらさぎ用

クモハ683_3509(しらさぎ用) 名古屋駅 2005.3.10

2001年 683系がデビューします。デザイン的にはキープコンセプト。
走行性能的にも劇的な変化をしているわけではありません。
しかしアルミ製車体となりバリアフリーを積極的に導入。
よりユーザーフレンドリーな車両として新形式が付与されました。

この683系とも併結されることから681系は内装においても見劣りがしないよう仕様の共通化が図られました。
そしてこの折に元試作車であったU01編成(=1000番台)は懸案事項であった6連+3連分割を可能にするため⑥⑦号車を先頭車改造しモーターの出力もアップしました。
というわけで共通運用となった量産改造車1000番台をいつ撮影できるか。全く予想がつきません。

見分け方は丸形のヘッドライトに三角側窓。
加えてクロ681-1001については登場以来ついているスカート部分のあばた?です。(下の写真)

クロ681_1001 試作車

クロ681 1001(683共通化後)    大阪駅 2006.2.3

もし見かけられたらその日はいいことがあるに違いありません。

2001.9  681.683共通化改造
身障者対応 M取り替え 先頭車改造 先頭車改造 M取り替え
クハ680 モハ681 クハ680 クハ681 モハ681 サハ680 モハ681 サハ680 クロ681
1201 1301 1501 1501 1101 1301 1051 1101 1001
T`c M Tpc5 Tc5 M1 Tp2 M2 Tp1 Tsc
金沢 大阪
T18編成 向日町区に転籍 V01編成に T07編成 向日町区に転籍 W01編成に

 


2023年1月 追記

2015年3月 北陸新幹線金沢開業により「はくたか」はなくなり「サンダーバード」も運転区間が短くなりました。
681系の大半は「しらさぎ」用に変更するため方向転換することになります。
681系1000番台は向日町区に転籍となりました。(同年6月までは金沢区に貸出)
よってT18編成は V01編成に T07編成は W01編成に変更されています。
しかしそれもつかの間、V01編成(3連)は同年9月に廃車されました。
W01 編成(6連)についてはクロ681を除き2019年9月に廃車されました。

1992年のデビューですから23~27年の寿命だったわけですね。
88~91年製の221系はリニューアルされ全車現役でがんばっています。
このところあまり姿を見ませんが試作車である207系F1編成(91年製)も在籍しているようです。
彼らと較べるといかにも短命だった気がします。
北陸線の新時代を築くためのデータを残し…。
その後も後輩たちと足並みをそろえるため自らを変えていった1000番台。
もっと注目されてもよかった気がします。

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JR西日本 681系1000番台 量産改造車 681系量産車 サンダーバード用 681系量産車 はくたか用 681系2000番台 しらさぎ用 へJUNP

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