南海電気鉄道 高野線 6200系 6521F① クハ6501形 6521
(もと8000系クハ8501形 8501)撮影:新今宮 2005.6.21
6521は もともと8501を名乗っていました。
実は1編成しか存在しなかった8000系6連の難波より先頭車。
すなわち75年に試作された電機子チョッパ制御試験車を6200系に改造編入した際に登場したTc1です。
南海電気鉄道 高野線 8000系試作車 01F① クハ8501形 8501
さて電機子チョッパは省エネという点でも優れた技術です。
しかし、高電圧に耐える装置が高価なため、その後登場した界磁チョッパや界磁添加励磁方式などにとってかわられてしまいます。
もっとも国鉄201系や営団地下鉄6000系など大量に量産された例もあります。
ですが、関西では、阪神の7000系と一部のジェットカーそして大阪市営地下鉄の10系、神戸市営地下鉄の1000系2000系くらいのものでしょうか。
阪急では2200系、近鉄では3000系が、電機子チョッパ制御の電車ですが、南海同様1編成しか製作されませんでした。
特殊な制御方法ゆえ他系列車両と併結が出来ず単独運用で使用するしかなく自ずから運用は限定されてしまいます。
そういった点からもなかなかお目にかかれない珍車でした。
阪急2200系の場合阪神大震災が原因ですが、哀れにも小間切れとなりM車もT化されてしまいました。
南海8000系は、6両編成のまま、7100系のVMC形抵抗制御装置を流用。これを改造して用いることとなりました。
今回は他系列車との併結が大前提ですから、加速性能を合わせる一方で、ブレーキもHSC-RからHSC-Dに変更、モーターも取り替えました。
床下機器をごそっと取り替えたわけですから結構たいへんな工事だったと思われます。
モハ6235 新今宮 2005.6.21
ちょっと暗いんですが、床下に抵抗器がズラッと並んでいます。
そんなわけで6200系のどん尻に追加された6521×6です。
現在、名実ともに、しっかり6200系に馴染んでしまっていますが、スカートが取り付けられました。
遠目にもよくわかりますので、見かけられましたら「おっ、もと8000系!」と思ってやってください。
ここまで初出:2006年2月25日 以下2022年7月24日追加
ということで、このスカートが識別ポイントだったのですが、2009年9月に6511F、以後2012年まで6200系の4編成がVVVFインバータ制御(8000系(2代目)と同タイプ)に換装されました。
彼女たちにもスカートが取りつけられています。
南海電気鉄道 高野線 6200系改 6511F① クハ6501形 6511 VVVF化改造(2009年)
加えて、旧8000系電機子チョッパ制御車の後継車両となる8200系界磁チョッパ制御車(6連×3)もVVVF化、6200系に編入されました。
南海電気鉄道 6200系50番台6連 6251F① 6551 Tc1
かくして6200系は、オリジナル(抵抗制御車)に加え、VVVFインバータ制御改造車、
もと8200系(50番台:界磁チョッパ車→VVVFインバータ制御車)そして、もと8000系(6521F :電機子チョッパ車→抵抗制御車)
と4タイプが存在します。
6521F もVVVFインバータ制御改造車に改造されるかもしれませんね。それは彼女が生き延びるためには必要なことと思われます。
-鉄道車両写真集- |
高野線 6000系 6100系 6200系 6300系 旧8000系 8200系 へJUNP |
モハ6231 (モハ8001) |
H13年3月改造 (S50製造) |
南海千代田工場 (帝国車両製) | |
長さ(m) | 幅(m) | 高さ(m) | 台車 |
20.825 | 2.74 | 4.16 | FS392A |
サイズについては、6200系/8000系 共通 | |||
制御方式 | モーター(kw) | ブレーキ | 自重(t) |
VMC-HTB-20J バーニア式抵抗制御 ↑ (CAFM218-15RH) 電機子チョッパ(三菱) |
MB-3072A 145×4 ↑ (MB-3198A) 155×4 |
HSC-D ↑ (HSC-R) |
38.2 ↑ 39.0 |
*M車のデータです。
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