「黄金の茶室」泉北高速鉄道12000系 泉北ライナー 珍車ギャラリー#345

「黄金の茶室」泉北高速鉄道12000系 泉北ライナー 珍車ギャラリー#345

 

泉北高速鉄道 泉北ライナー 12000系4両編成 編成表
←難波④            ①和泉中央→
12021-12821–12871-12121
(Mc1-T1–T2-Mc2)参考:Rail Magagine 2017年4月号
泉北高速鉄道(大阪府都市開発) 12020系 21F 泉北ライナー

撮影場所:新今宮

-鉄道車両写真集-
泉北 12000系 泉北ライナー 南海 12000系 「サザンプレミアム」 へJUMP

泉北高速鉄道では2015年12月から、南海11000系を借り入れ 特急「泉北ライナー」の運行をはじめました。
天下茶屋から泉北高速線 泉ヶ丘 までノンストップの全席座席指定の特急です。
(難波 – 新今宮 – 天下茶屋 = 泉ケ丘 – 栂・美木多 – 光明池 – 和泉中央)

南海電気鉄道 11000系 *泉北ライナー *01F 11001F

南海電気鉄道 11000系 *泉北ライナー 01F 新塗装

撮影場所:新今宮

2015年12月に、泉北高速鉄道の特急「泉北ライナー」に起用された11000系でしたが、2017年1月には、泉北高速鉄道が新型特急車両(12000系)を導入したことから、一旦は運用から外れました。しかし同年8月泉北ライナーの増発に合わせ復帰、塗装も改められています。

地元民の友人に言わせると「いらん。」とすげない答えでしたが、
2017年1月27日には、泉北ニュータウン50周年ということで泉北高速鉄道の専用車両として12000系が導入されることになりました。

12000系といいますと南海特急「サザン」(難波-和歌山港駅間で運行)の指定席車両として使用されている「サザンプレミアム」がそうですよね。
そう、泉北高速鉄道12000系は、2011年にデビューした南海12000系電車のマイナーチェンジ車で20番台となっているのはそうしたことからです。
製造元も同じく総合車両製作所横浜事業所です。

南海電気鉄道 *12000系 南海本線 特急サザンプレミアム

撮影場所:新今宮

さて南海12000系は特急「サザン」の自由席車にも充当されている 8000系普通車と同様の足回りはということになります。
すなわちモータは三菱電機製MB-5091A2形(180kw)、ギヤ比(6.53)
制御装置は日立製のVVVFインバータ制御(IGBT素子)。
台車もモノリンク式ボルスタレス台車SS-177系。
最高速度も110km/hで8000系となんら変わりません。車体もベースとなるのは8000系です。

そう12000系は特急専用車ではありますが、スピードをウリにしているわけではないのです。
泉北高速鉄道線内には待避線がありません。
現行ダイヤでは堺東で準急を追い抜く列車も設定されてはいますが、時短効果は あまりありません。

特急「泉北ライナー」がウリにしているのは、必ず座れることと、プレミアムな気分に浸れることです。
で、 何がプレミアムか? というと、金ぴか です。
車体の外観は 金色を基に 青色と黒色のライン を配した塗装になっており、客室窓にまで金色のラッピングシールを張り巡らせました。
車内も同様です。扉があるデッキ部分はおろか・洗面所・トイレにいたるまで金色。
客室内に入って見ると、座席、カーテンの色まで黄色。
豪華なのはわかりましたが、貧乏性の私にはプレミアムな気分がわからなくなってしまいました。
(なお、1号車が黄色・2号車が緑色・3号車が紫色・4号車が赤色の4色)
南海110000系を借り入れ 特急「泉北ライナー」に仕立てたときから、金色をイメージカラーにしているのは見てきましたが、まさかここまでやるとは…。

思わず 太閤殿下(豊臣秀吉)の「黄金の茶室」を連想してしまいました。
「黄金の茶室」はというと、千利休の「わび茶の精神」とは対極的な存在で、秀吉の悪趣味が極まったものという見方もあるようですが、バラして移動も可能という点も含めて、従来の茶室の概念を大きく変えたものであり、茶室の有り様を根本から考え直させたものともいえます。

思えば、私もまた
「特急専用車といえば、かくあるべき。」というような固定概念がありました。
偏見をもって見るべきではない。と思った次第です。---でも、
金色のラッピング越しに見る外の景色は、汚れたメガネ越しに見る風景のようで、爽快感を欠くのです。
目まいは、おさまりませんでした。

参考:Rail Magagine 2017年4月号

初出:2017年11月14日

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