三池炭鉱専用鉄道の電気機関車
炭鉱節で有名な、三池炭鉱は、明治22年に、三井鉱山が国から払い下げをうけたものです。三井鉱山は、翌年、専用鉄道の建設に着手、明治24年に、蒸気鉄道として開業します。
明治41年、三池港が開削され輸送量が大幅にアップ。以後、電化に着手、電気機関車を徐々に増やしてゆきました。(本線の電化完成は昭和7年)
鉄道は当初、直営で運営されていましたが、大正7年には、三池港務所が担当するようになります。
1964年には地方鉄道「三池鉄道」となり、一般の旅客輸送も行いましたが、1973年には同年発足した三井石炭鉱業の専用鉄道になります。
以後も継続された従業員輸送列車は1984年10月に終了しました。
ここでは1984年1月と1997年2月に撮影した電気機関車をピックアップしました。
当時は、三井石炭鉱業専用鉄道というのが正しい名称ですが、歴史的経緯を踏まえ三池炭鉱専用鉄道の名をタイトルとしています。
客車、貨車。および1997年以降 三井東圧化学専用線として存続した車両は別タイトルでUPしています。
参考文献「私鉄電気機関車ガイドブック西日本編」1977年 誠文堂新光社刊
三池炭鉱専用鉄道 15tB形 7号機
1908(明治42)年 GE製 自重 15t
主電動機 GE製→東芝製 SE-164 37kw×2 歯車比:4.60 4923 × 2223 × 4050 mm
1956年 連結器をリンク・バッファー式から自動連結器へ。
1957年 集電装置をポールパンタグラフからZパンタへ。
三池炭鉱専用鉄道 20tB形 3号機
1911(明治44)年10月 シーメンス製 自重 22t
主電動機 三池製作所製 2R460INW×2 歯車比:5.43 6810 × 2740 × 4100 mm
1956年 リール台車専用車に改造。
三池炭鉱専用鉄道 20tB形 11号機
1917(大正6)年 三菱製 自重 22t 主電動機 三池製作所製 2R460INW×2 歯車比:5.85 6810 × 2740 × 4100 mm
1962年 電源車を連結し無架線区間でも走行できるよう改造。
1974年月以降 集電装置をZパンタから菱形パンタへ。
三池炭鉱専用鉄道 45tBB形 22号機
東芝製 標準型電機 (いわゆる東芝40t)です。南海や東武などにも同型機がいました。
22号機は1949年製の西鉄(宮地岳線)ED201号機を1959年に譲り受けたもの。その際600Vに降圧されています。
主電動機 芝浦製作所製 SE130-B、97 kW×4 歯車比4.65 11050 × 2740 × 4170 mm
保存車両について
これらの電気機関車のうち、5号機(1908年GE製15t B形)、1号機(1911年シーメンス製20t B形)、5号機(1915年三菱製20t B形)、17号機(1936年東芝製45t B-B形)の4両が保存されています。
2016年8月からは、三川坑跡に移設され 非常にいい状態で一般公開されています。
また三井化学専用線で活躍を続けていた1両(12号機?)も2021年4月 荒尾市が保存すると発表しました。
→三井化学専用線 11号機+デ4 (珍車ギャラリー#078)
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