新京成電鉄 8000形(珍車ギャラリー#218)

新京成電鉄 8000形(珍車ギャラリー#218)

新京成電鉄は2021年 11月1日、新造車両80000形1編成を導入、2日から営業運転を開始すると発表しました。
このことで8000形最後の編成11Fが1日をもって引退することになりました。
8000形は珍車ギャラリーでもとりあげています。
これを機に「くぬぎ山のたぬき」の秘密を記憶にとどめていただければと思います。

化ける化ける くぬぎ山のたぬき--新京成電鉄 8000形--

新京成 8000形 8517

新京成電鉄の車庫は、「くぬぎ山」にあります

さてその「くぬぎ山」をねじろに1978年から、2021年に至るまで、でーんと居座っていたのが8000形です。
写真をご覧いただければ、説明は不要かと思われますが、目のクマのようにも見える個性的なマスクから8000形は「くぬぎ山のたぬき」と呼ばれています。

さてそのたぬきも2011年、1978年製の古だぬきから廃車が発生し、
「とうとう8000形も「くぬぎ山」を追われるのか…。」
と思われました。
しかし、8000形は、2021年11月まで生き延びました。なぜでしょう。

新京成 8000形は、1978~85年にかけて6連×9本=54両製造されました。
18m級の片側3ドアのスチール製で車体で特に違いはないのですが、1次車は当時の新京成の標準色である、ベージュ地(正確にはキャンディピンク)にマルーンのツートンカラーで登場。
2次車からは、ベージュ地に、側面には茶色の帯の塗装となりました。(後に1次車もこの塗装に変更)
塗装を塗装を窓下が茶色であるチャームポイントはそのままというのは笑えます!
(2017年 17F がピンクだぬきになっております。)
とはいえ、塗装を変えたことで生き延びられたわけではありません。
たぬきたちは、その中身からしっかり化けていたのです。

鉄道車両の寿命

鉄道車両というものは、おおむねしっかりした造りのものが多く、30年は使えます。
丁寧に使えば、4-50年というのはザラです。

とはいえ、古い車両はスチール製のものが多く、さびを発生し10数年もすれば、すっかり傷みが目立つようになるのが本来の姿です。
しかし、そうは見えないようにしっかりメンテナンスされています。
2-30年前は、もっと傷みが目に付いた車両が多かったように思われます。
最近は車両自体にもしっかり対策が施され、そういった点でも技術力がUPしているように思われます。
ちなみに新京成8000形は「一体鋼板連続溶接」という耐腐食性の高い斬新な工法が採り入れられています。

しかし、それにも限度があります。
というわけで、車両更新、つまりリニューアル工事をしなければなりません。
車体全体を見直すわけですから、それこそ2-30年前は、これを機に車体を補強、冷房装置を新たに取り付けるなどということをしました。
また、旧形電車の足回りはめっぽう頑丈にできていますから、車体部分をごっそり載せ替え、新車のように生まれ変わったものもありました。
東武の5000系などがその例です。

3通りの制御装置

今はそこまで大がかりな更新は、少なくなりましたが、この更新を機に制御装置をチェンジする例が見られます。
JR東日本、武蔵野線用の205系5000番台は界磁添加励磁制御から、大阪市営地下鉄の10系は電機子チョッパ制御からVVVFインバータ制御にチェンジしました。

そこで新京成8000形です。一時的にもせよ3通りの制御方式が共存したのです。

その経過を見ていきましょう。
まず最初の3本、つまり01・03・05編成は は、オーソドックスな抵抗制御でデビューしました。
イメージしやすいように松戸側のクハ8500形にあわせてこのように記していますが、新京成では01編成は8502編成とされています。)

新京成 8000形03F  8006 抵抗制御

03F  8006(抵抗制御車)2008.3

1981年製の3次形となる07編成から1985年製の17編成までは界磁チョッパ制御に変更されました。
界磁チョッパ制御は、低速時は抵抗制御で加速し、高速域での界磁制御にチョッパを用いるというモノです。
製造コストが高い電機子チョッパ制御の欠点を補い、安価に回生ブレーキを実現するために開発されました。
とはいえ、ベースは抵抗制御です。

新京成 8000形 8014(界磁チョッパ制御車)

07F  8014(界磁チョッパ制御車)2010.3

そののち、2007年に09編成がVVVFインバータ制御に換装され、以後05・11・13・17編成も同様の工事を施されました。
VVVFインバータ制御は、ほぼステップレスで加速できるなど乗り心地の面でも優れています。
また使用状況に合わせて他系列との併結が容易であることもメリットと申せましょう。
加えて、その大きなメリットは、交流モーターを採用できることです。
交流モーターは軽量小形でありながら、トルクも強くハイパワーのものが作れるのが強みです。
またモーター自体をばらして、ブラシを交換するなどということをしなくて済むという点で、メンテナンスでも有利です。

そんなわけでモーターも抵抗制御編成の「直巻直流電動機」、界磁チョッパ制御編成の「複巻直流電動機」(ともに三菱製、出力110kW)は
VVVFインバータ制御化されたことで、交流モーター、正確には「かご形三相誘導電動機(東芝製 出力160kW)」に取り替えられました。
このことで起動加速度は2.8km/h/s(抵抗制御編成・界磁チョッパ制御編成)から、3.0km/h/s(インバータ制御編成)とパワーアップ。

たぬきたちは、新参者に負けない力をしっかり身につけていたのです!

新京成 8000形 8010(VVVFインバータ制御車)

05F  8010 (VVVFインバータ制御車)2011.2 撮影場所はすべて松戸

-鉄道車両写真集-
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参考文献;鉄道ピクトリアル 「特集 京成電鉄」No486 1987810

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