土佐電気鉄道(とさでん交通)533形 910形「リスボン市電」1991年~ 世界の路面電車計画

土佐電気鉄道(とさでん交通)533形 910形「リスボン市電」1991年~ 世界の路面電車計画

533形も910形も 土佐電気鉄道が「世界の路面電車」計画のひとつとしてポルトガルのリスボン市から1990年に譲り受けたものです。

リスボンの路面電車は1873年に運行を開始した馬車鉄道がルーツとなります。
1901年には電車が導入され、まもなく路線全てが電化されました。
なお市営ではなく正しくはCarris(Companhia Carris de Ferro de Lisboa = リスボン電気鉄道会社)の経営によるもので「リスボントラム」とよばれています。
当初、車両は米国から輸入されていましたが、1924年以降は地元で製造されるようになりました。軌間は900mmと特殊な軌間です。
最盛期には28系統存在しましたが 1960年以降モータリゼーションの影響をうけ、地下鉄(リスボンメトロ)が開業、これに伴って路面電車の路線は廃止が相次ぎ縮小の一途をたどりました。日本と同じような流れですね。
2015年現在、6系統(5路線:総延長48km)が残存し、57両の車両によって運行されています。

533形 533 もとリスボン市電 1992年12月撮影

533形は カリス(リスボン)工場で1928年に製造されました。
8.5m級2Dクロスシート車です。土佐電気鉄道で運行するにあたり元リスボン市電である910形と同じく1990年に来日しました。
軌間を土電の1,067mmに変更するため、台車を交換したのか車軸を変更したのかはわかりませんでした。集電装置はビューゲルに変更しています。(1本だけポールをダミーで存置)。車体についてはほぼそのままです。

533形:元リスボン市電で、1928年カリス(リスボン)工場製。
1991年から営業運転。
8.555:2.300:3.800   9.2 t    30 名 20 席
台車:ブリル形 M&T 集電装置:ビューゲル 出力:38.2kw×2
ブレーキ SM-3 参考文献 rp688 2000.4

2007年までイベントなどで運航していましたが2008年4月から四国コカ・コーラ小松第二工場に保存されています。(土讃線伊予小松駅から2.5km)
リスボン当時からのコカ・コーラの広告電車だったため そのご縁で譲渡されました。

910形改造前 910 もとリスボン市電 1992年12月撮影

910形も現地の工場で1947年に製造されたものです。
車体は12m級2Dのクロスシート車です。軽量化のため車体の一部にアルミ、グラスファイバーなどが使われていましたが、改造により鋼製化。普通鋼製となっています。
土佐電気鉄道で運行するにあたり元リスボン市電である533形と同じく1990年に来日しました。
ただ改造開始は遅れ、桟橋工場で大規模な改造工事が行われたのは1993年で1994年の運行開始となりました。
軌間を土電の1,067mmに変更するため、台車を西鉄北方線331形のもの (KL-11B) に交換しました。直接制御でイギリスのデッカーシステムの制御器がそのまま使われています。
集電装置は菱形パンタに変更しました。(1本だけポールをダミーで存置)。
車体については前面窓を3枚窓から1枚窓に変更。前面窓下にはボンネットを設置、前照灯なども移設されています。また乗降扉を1枚引戸から2枚引戸に変更しドアエンジンを設置しました。この画像はそうした改造を受ける前のもので貴重なものであるといえるでしょう。

910形:元リスボン市電で、1947年カリス(リスボン)工場製。1994年から営業運転。
12.270: 2.300: 3.940  17.3 t   52 名 28 席
台車:KL-11B 日立  集電装置:菱形パンタ 出力 38.2kw×2
ブレーキ SM-3 参考文献 rp688 2000.4

リスボンでは1994~95年に初の超低床電車として500形(501~510)を導入しています。ドイツのデュワグ社(のちシーメンスと合併)のモデルをスペインやポルトガルのメーカーがライセンス生産したものです。
ただ500形が使用されるのは1路線のみで。大半の路線では1995~96年に大規模な改修が施された2軸単車で運航されています。

-路面電車研究- INDEX   →鉄道車両写真集index
鉄道車両写真集:200形 600形 700形/800形  500形/外国電車etc 1000形 100形

路面電車研究カテゴリの最新記事