デキ10形は1923(大正12)年に梅鉢鉄工所で製造された電動貨車 福武電気鉄道デワ1・デワ2で当初は木造の4輪単車でした。
デワ1は福井鉄道編入後の1959年に車体更新工事が施工され2軸ボギー車となりました。
(更新されなかったデワ2は1969年に廃車)
この時に履き替えた台車がどのようなものかはわかりませんでしたが、1969年にC-9台車に履き替えることになります。これは福武電気鉄道が市内線(併用軌道)開通に合わせて製造したデハ20形(21~24)が履いていた台車です。日車製のCシリーズ台車でこれは主に路面電車向けに用意されたものです。
デハ20形についてはこちらを→福井鉄道160形
C-9台車はのち併用軌道用車両として譲り受けた 510形(もと北陸鉄道金沢市内線モハ2060形)に転用され 510形の廃止により1969年にデワ1に取り付けられました。
デワ1は1979年に制御方式を直接制御から間接非自動制御に変更し出力もUP。電動除雪車となりました。旋回窓がかっこいいですね。
この時に車種が電動貨車から電気機関車に変更されデキ10形デキ11と改められています。ですから1977年刊となる「私鉄電気機関車ガイドブック(西日本編)」には掲載されていません。
それにしても路面電車向けの台車を履く電気機関車はこれ以外にはないと思われます。
2018年の大雪で除雪作業を行っていたデキ11は福井市内で圧雪に乗り上げ脱線事故を起こしてしまいました。この事態を重く見た福井県は福井鉄道に新たな除雪車を導入させています。
一般道を走るトラックに軌道走行できる設備を追加したもので「軌陸車」と呼ばれるものです。軌陸車は保線用作業車として大手私鉄でも使用されています。
結果、仕事を追われたデキ11は「引退か」と報じられたのですが、以後も軌陸車と共に除雪作業に用いられ現在も稼働状態を維持しているようです。ただし車籍はもうありません。
デキ11形 デキ11 前位(1位) 2013年 赤十字前(福井新)

デキ11形 デキ11 後位(3位) 2013年 赤十字前(福井新)

デキ11形 デキ11 後位(3位) 1986年 西武生

形式 デキ10 デキ11 もと1923(大正12)年梅鉢鉄工所製の電動貨車
1959年に車体を更新、2軸ボギー車に 1979年に直接制御から間接非自動制御に変更。デキ10形デキ11となる。
10.382: 2.600:4.200 16.7 t 制御器:HL モータ:SE131A(製)37.5kw×4 台車: C-9(日車製) ブレーキ:空、手
参考文献:鉄道ピクトリアル#701 2001.5
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