T100形 は2010年にデビューした超低床電車です。愛称はSANTRAM(サントラム)」
富山市内線には2009年の環状線開業時に投入された9000形超低床電車がいます。
なぜ9000形を増備しないのでしょうか。
その理由はT100形がデ7000形の代替車両と位置づけられているからです。
環状線は地域公共交通活性化法を活用して市が軌道や車両等を保有し地鉄がこれらを借り受けて委託営業する「上下分離・官設民営方式」となっています。
つまり環状線用に投入された9000形の保有者は富山市なのです。
対してT100形の保有者は当然 地鉄です。因って立つところが違うのです。
それでも9000形と同じインチェントロ型を導入する手もあったはずです。
しかしそうしなかったのは、9000形ほどのキャパはいらないと考えたからです。
富山港線(鉄道線)は単線です。運転間隔を詰めることはできません。
ここに乗り入れることが前提の9000形はそこそこのキャパが必要です。
3車体連接車のT100形は2車体連接車の9000形より大型ではないかと思われがちです。
ですが意外なことにT100形は9000形より2mほど編成長が短く定員も6名減の74名になのです。
2017年からT100形も富山港線に乗り入れていますが路線に限らず輸送需要に見合った車両を使い分けるのが賢いやり方といえるでしょう。
T100形はアルナ車両のリトルダンサーUaタイプです。
リトルダンサーは車軸付き台車を使用するのがウリです。メンテナンスに手がかかるのは台車です。
これを従来通り取り外して保守点検できるのは大きなメリットなのです。
Uaタイプではモータを台車外(座席直下)の車体に取り付けることで台車部分も低床化しています。
また中間車に車輪はなくフローティング車体としたことで9000形に負けない超低床電車となりました。
2008年に豊橋鉄道が導入したT1000形とは共通仕様となっています。
現場での実績があることも導入を後押ししたのではないでしょうか。
地鉄では日車製の車両をずーっと導入してきました。
豊橋鉄道には日車製の低床車モ800形もいたわけですから当然比較できます。
でも床が傾斜しているモ800形を導入する気にはならなかったのはよくわかります。
事実日車はLRVから手を引くことになります。
T100形は 2017年に第4編成が加わりました。
今後も7000形を置き換えるべく増備される予定です。
T100形 「SANTRAM(サントラム)」
富山地方鉄道(軌道線) T100形 「SANTRAM(サントラム)」
T101~ 現在増備中 2009年~ アルナ車両製
16.300×2.400×3.905 23.0t 編成定員74名(29席)
台車:SS09 モーター:TDK6407(東洋電機製)85kw ×2
制御装置IGBT-VVVFインバータ(SVF-087-B0)東芝製
シャフト駆動 ブレーキ:HRD-1 回生発電併用電気ブレーキ
参考文献:鉄道ピクトリアル 鉄道車両年鑑2010年版
T101A

T101C

T101B

撮影2012.8:富山駅前
参考:豊橋鉄道(東田本線) T1000形 T1001

撮影2008.12:駅前
形式 T1000 T1001 2008年アルナ工機製
16.200:2.400:3.850 23.0t 74名
台車:SS-08 モーター:TDK6308-A 85kw×2
制御装置 VVVFインバータ C-PCU(東芝)
電気指令式電磁直通ブレーキ 回生付き クーラー付き
参考文献 rp852 2011.8
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