MLRV1000形は2004~09年に6編成 導入されました(MLRV:Manyosen-Light-Rail-Vehicle)
加越能鉄道高岡軌道線を継承すべく2002年4月に設立された万葉線株式会社がイメージを一新するために導入した2車体連接の超低床電車です。
ドイツのアドトランツ社は車軸のない独立車輪を用いて低床化を実現しました。(正確にはマン社が1990年に開発)
シーメンスでは各独立車輪にハブモータを取り付けましたが、アドトランツはレール方向に取り付けたモータに特殊な継手を組み合わせて車輪を駆動します。
新潟鐵工所はアドトランツと業務提携し「車体は日本で製作し足回り(電機品・台車)を輸入する」という方法でこの超低床車「ブレーメン形」をライセンス生産しました。
熊本市電9700形(1997年)がその第一号となります。
1998年にアドトランツは7つの新型鉄道車両シリーズを発表。路面電車車両には「インチェントロ」と名付けました。
「インチェントロ」は従来の「ブレーメン形(GTシリーズ)」の他、2種類あった車両シリーズを集約して開発されたものです。
2001年にアドトランツを買収したボンバルディアは この「インチェントロ」を継承。
新潟鐵工所はこれをベースに岡山電気軌道のMOMO(2002年)をデビューさせています。
万葉線MLRV1000形は2003年に新潟鐵工所の鉄道車両事業を継承した新潟トランシスが製造しました。
日独とも会社名が入れ替わってややこしいので私はこれらを「インチェントロ型」と呼ぶことにします。
MLRV1000形のモータは三相誘導電動機(AEG製:BAZu3650/4.6 100kw×2)
制御装置はIGBT素子によるVVVFインバータ制御(三菱製:MAP-102-60VD118)で屋根上に設置されています。
ブレーキは電気ブレーキ(発電・回生併用)、油圧式ディスクブレーキ。加えて電磁吸着ブレーキを保安ブレーキとして備えています。
最高速度は70km/h。愛称は「AI-TRAM」(アイトラム)です。
この後、新潟トランシスは 富山ライトレールTLR0600形(2006年)、熊本市交通局0800形、富山地方鉄道デ9000形(2009年)と同種の超低床車を製造することになります。
万葉線 MLRV1000形
万葉線 MLRV1000形 「AI-TRAM(アイトラム)」
01~06 2004~09年 ボンバルディア-新潟トランシス製
18.400×2.400×3.407 21.0t 編成定員80名(30席)
台車:3EGS10000-5845 独立4輪構成のボルスタレス
モーター:BAZu3650/4.6(AEG製)100kw ×2 制御装置IGBT-VVVFインバータ(MAP-102-60VD118)
シャフト駆動 ブレーキ:回生発電併用電気ブレーキ 参考:鉄道ピクトリアル #852 2011.8 他
MLRV1003A

撮影2012.8:高岡駅前
MLRV1002B

撮影2006.7:高岡駅前
MLRV1004A ドラえもんトラム(3代目)

撮影2018.8:米島口
「ドラえもんトラム」は高岡市が藤子・F・不二雄の出身地であることにちなんだもの
初代 :MLRV1005 2012年~、2代目:MLRV1002 2013年~、3代目:MLRV1004 2016年~
*アドトランス社はダイムラーベンツが1985年に買収した「AEG:アルゲマイネ・エレクトリツィテート・ゲゼルシャフト」とスイス・スウェーデンの電機メーカー「ABB:アセア・ブラウン・ボベリ」の両鉄道システム部門を1996年に統合して発足したものです。
*熊本市電9700形の形式はアドトランツではGT4N-ZR。
「GT」に続く数字 4, 6, 8は 連接車の合計の車軸数 N, S, Mは 軌間でNは標準軌 (1435mm)
ZR は両運転台車(両側面に客用扉)
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