デ8000形(8001~05)は1993年に製造された日車製のVVVFインバータ制御車です。
インバータ制御車の第1号は1982年に日車が製造した熊本市電8200形です。
インバータ制御車が路面電車から実用化されたのは高周波による信号機器への影響を鉄道線ほど考えなくてすむことと電源電圧の低さ(600V)そして出力が小さいことがあげられます。
しかし8200形のモータは路面電車としては異例の120kwという高出力。
制御器を作成した三菱電機はモータの数を一つに抑えたかったのでしょう。
そのため1台車に一つのモータを装架し同時に2軸を駆動するという凝った構造になっています。
まさに実用試験ともいえる挑戦をした日車でしたが、熊本での後継インバータ制御車は8800形(88年製)も9200形(92年製)もアルナ車両製です。
札幌や鹿児島でもインバータ制御車がデビューしていますが日車製ではありません。
日車のスタッフは悔しかったに違いありません。
デ8000形は10年の歳月を経てインバータ制御車のパイオニアである日車が送り出した自信作です。
駆動方式はTD継手による平行カルダン(1モータ1軸駆動)で制御器は東洋電機製となりました。
台車のNS-20形は円錐積層ゴムで軸箱を支持する当時の路面電車用台車としては珍しいものです。
デザインも洗練されていますね。広告が控えめなのがうれしいです。
日車としてはデ7000形のすべてを置き換えてほしかったところでしょう。
しかし残っているデ7000形はすべて冷房改造されたばかりです。
5両で製造は打ち切られてしまいました。
富山地方鉄道(軌道線) デ8000形
形式 デ8000 (8001-05) 1993年 日本車両製
13.050× 2.490× 3.905 17.0 t 66 名 26 席
台車: NS-20 日本車両 モーター: TDK6303A 東洋電機 60 kw × 2
制御装置 ATR-M260-RG629D TDカルダン駆動 ブレーキ MBS-R
参考文献 rp688 2000.3
8001

撮影2012.8:富山駅前
8002

撮影2006.8:南富山
8003

撮影2006.8:南富山
8004

撮影2012.8:南富山
8005

撮影2012.8:南富山
| -路面電車研究- →鉄道車両写真集index |
| 富山地方鉄道 軌道線 路線まとめ 7000形 7000形冷改 8000形 9000形 T100形 ☆富山ライトレール TLR0600形 |
コメントを書く
コメントを投稿するにはログインしてください。