デ5010形は富山地方鉄道の鉄道線(射水線、笹津線)乗り入れ用軌道線車両でした。
1950~51年にデ5000形4両とデ5010形30両の計34両が製造されています。
鉄道線車両とほとんど変わらない高床式であるこの2形式は2段ステップを装備したため縦長の扉が特徴となっています。
また国鉄標準の柴田式自動連結器を装備しており連結運転していたこともありました。
当初直接制御車でしたから双方に運転手が乗り込み、ブザーを合図に協調運転していたそうです。
(デ5010形は1962年から間接制御に)
射水線は富山新港の開削に伴い1966年 東西に分断されます。
このことを見通して1959年に高岡軌道線(地鉄高岡 – 新湊間)は加越能鉄道(1950年設立)に譲渡されました。
この時点で活躍していたのは地鉄デ5010形でうち5021~5026が加越能鉄道に譲渡され 射水線、富山市内線との直通運転を継続しています。
加越能鉄道所属車は1971年に伏木線(米島口-伏木港)廃止を機に5022を除き全車廃車となりました。
5022は1971年に除雪専用車に改造され、主電動機を2基追加して出力を増強、38kW×4基とし前後にスノープラウを装着しています。
加越能鉄道 デ5010形 5022

撮影1992.12:米島口車庫
5022は1992年に除籍され機械扱いとなり万葉線(2002年設立)にも引き継がれました。
形式 デ5010 (5022) 1950年 日立製 除雪用のため車籍なし
12.640× 2.500× 3.530 18.0 t -
台車:W-1-10 日立 モーター:HF313AR14 日立 38 kw × 4
制御装置 MK ブレーキ 直接空気 参考文献 rp688 2000.3
万葉線 除雪専用車 もとデ5022

撮影2006.7:米島口車庫
2012年の稼働が最後となりましたが 高岡市衛生公社が引き取りこれを復元。
2018年から新吉久電停 近くの『TEKリトルパーク』に展示されています。
デ5022 復元保存車

参考:富山地方鉄道 射水線 デ5010形 デ5020

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