福井鉄道 F1000形 「FUKURAMU」フクラム 新潟トランシス製LRV 2013年~

福井鉄道 F1000形 「FUKURAMU」フクラム 新潟トランシス製LRV 2013年~

福井鉄道 F1000形は2013~16年に新潟トランシスで4編成製造されました。
「FUKURAMU(フクラム)」の愛称をもつ3車体連接のLRV(超低床電車)です。
日本のLRVは近畿車輛、三菱重工、東洋電機の3社が広島電鉄と共同開発した「U3プロジェクト」
アルナ車両が提唱する「リトルダンサー」 そして新潟鐵工所(現新潟トランシス)が導入した「ブレーメン形GTシリーズ」由来のものに大別されると思います。

新潟鐵工所はドイツのアドトランツ(アルゲマイネ由来で現ボンバルディア)と業務提携し超低床車(ブレーメン形)をライセンス生産しています。
車軸のない独立車輪を用いて低床化を実現するために車体は日本で製作し足回り(電機品・台車)を輸入する」という方法をとりました。
熊本市電9700形(1997年)がその第一号となります。
この技術を継承したボンバルディアは この「ブレーメン形」を発展させた「インチェントロ型」を提唱。
新潟鐵工所はこれをベースに
岡山電気軌道のMOMO(2002年)をデビューさせています。
2003年に鉄道車両事業を継承した新潟トランシスはこのライセンスを継承し 万葉線MLRV1000形(2004年)、富山ライトレールTLR0600形(2006年)、熊本市交通局0800形、富山地方鉄道デ9000形(2009年)と同種の超低床車を製造しました。
日独とも会社名が入れ替わってややこしいので私はこれらを「インチェントロ型」と呼んでいます。
福井鉄道F1000形はこの延長線上に登場することになる3車体連接車です。
福武線200形など大型車両にあわせ 前述のLRVより車両限界も大きく定員も大幅増となっています。
最高運転速度も65km/hと高速仕様です。

F1000形 「FUKURAMU」フクラム F1001 3車体連接車

F1001-1 A車

F1001-2 C車

F1001-3 B車

F1000形 「FUKURAMU」フクラム F1002 

F1000形 「FUKURAMU」フクラム F1003

福井鉄道 F1000形 「FUKURAMU(フクラム)」3車体連接車
F1000-1-2-3    01~04 計4編成  2013~16年 新潟トランシス製
27.160×2.650×3.437  37.0t  編成定員155名(53席)
台車:独立4輪式のボルスタレス(ボンバルディア製)
モーター:TDK6413-B(東洋電機製)100kw ×3 車体装架式直角カルダン駆動
制御装置IGBT-VVVFインバータ 1C1M×3(MAP-101-75VD250)×2?
ブレーキ:常用:回生発電併用電気ブレーキ 低速域:油圧式ディスクブレーキ
最高運転速度65km/h セミクロスシート
参考文献:鉄道ピクトリアル 鉄道車両年鑑2013年版をベースに加筆

参考:富山地方鉄道(軌道線) デ9000形 「CENTRAM(セントラム)」2車体連接車

富山地方鉄道(軌道線) デ9000形 「CENTRAM(セントラム)」
01~03 計3両  2009年 新潟トランシス製
18.040×2.470×3.745  25.0t  編成定員80名(28席)
台車:独立4輪構成のボルスタレス(ボンバルディア製)
モーター:BAZu3650/4.6(AEG製)100kw ×2 シャフト駆動
制御装置IGBT-VVVFインバータ(MAP-102-60VD140A)
ブレーキ:回生発電併用電気ブレーキ
参考文献:鉄道ピクトリアル 鉄道車両年鑑2010年版

*アドトランス社はダイムラーベンツが1985年に買収した「AEG:アルゲマイネ・エレクトリツィテート・ゲゼルシャフト」とスイス・スウェーデンの電機メーカー「ABB:アセア・ブラウン・ボベリ」の両鉄道システム部門を1996年に統合して発足したものです。

*熊本市電9700形の形式はアドトランツではGT4N-ZR。
「GT」に続く数字 4, 6, 8は 連接車の合計の車軸数 N, S, Mは 軌間でNは標準軌 (1435mm)
ZR は両運転台車(両側面に客用扉)

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