1997年、特急「はくたか」は 北越急行・ほくほく線の開業にあわせ従来の上越新幹線アクセス特急「かがやき」に替わって登場しました。
かつて長岡経由では果たし得なかった航空機との競争に打ち勝つためにはじき出された所要時間。
「東京-金沢間:3時間45分」を実現するために設定されました。
その鍵となるのが北越急行です。
上越新幹線の接続駅となるJR東日本 越後湯沢を起点とする「はくたか」は六日町から北越急行線に入り、JR西日本の接続点となる直江津を経由して北陸本線の各都市を目指します。
よって「はくたか」はJR西日本、JR東日本、北越急行の3社にまたがって運行されます。
JR西日本が用意したのは681系量産車。「ホワイトウイング」の愛称が与えられました。
681系は北陸線での使用に特化した耐寒耐雪仕様の高速車両です。
1992年7月に681系試作車編成が登場しました。
→参考 JR西日本「サンダーバード」681系 1000番台 量産改造車 681系 0番台 量産車
スチール製のシンプルなデザインは控えめな印象を与えますが、1M2Tの経済的な構成でありながら160km/h運転を可能にする在来線最強の特急形電車です。
95年に量産車がデビュー。七尾線への乗り入れを考慮し6+3で分割できるように改良されました。
→参考 JR西日本「はくたか」 681系 0番台 はくたか用
681系 自体そう珍しいものではありませんが、JR各社見回しても160km/hしたのはW編成だけではないでしょうか。
北越急行が用意したのも681系。
681系2000番台となりますが 基本的には0番台と変わるところはありません。
車両の管理もJR西日本に委託しており金沢総合車両所の681系「はくたか」用編成とは共通運用です。
ただ異なるのはフロスティホワイトのボディに、クリムゾンレッドとアクアブルーのラインが入れられ、「スノーラビット」のロゴステッカーが貼り付けられたことでしょうか。→参考 北越急行「はくたか」-681系2000番台 683系8000番台
「ホワイトウイング」とともに北越急行線内で1998年から150km/h、2002年からは160km/h走行を開始しました。
対してJR東日本が用意したのは485系3000番台。
上沼垂運転区所属の「はくたか」用 R編成は ほくほく線開業にむけ1997.98年に9連2本が投入されました。
485系3000番台は1995~2001年に1000番台を中心にリニューアル工事を施工したものです。
「はくたか」用 R編成には翼のエンブレムが付き 見た目も内装も大きく改められました。
しかし足回りに大きな変化はなく160km/hでの高速運用はできません。
→参考 JR東日本「はくたか」485系3000番台
2005年には「はくたか」運用から外れて「いなほ」「北越」用編成に編入されました。
これを補填したのは北越急行の683系8000番台です。→参考 北越急行「はくたか」683系8000番台
ほくほく線開業時点、681系は「ホワイトウイング」用W編成(6+3連)2編成、「スノーラビット」用N編成(6+3連)2編成でスタートしました。
それが2012年3月時点でW編成は5編成に、N編成は前述の683系を加えて3編成に増備されています。
在来線最速 160km/hで駆け抜けた「はくたか」は北陸3県を北回りで繋ぐ北陸新幹線を後押しする実績を上げたということになるでしょう。
特急はくたか用 基本編成6連: W01~05編成
←金沢、福井① ⑥越後湯沢、和倉温泉→
W04:クロ681_5-サハ680_10-モハ681_205-サハ680_205-サハ680_9-クモハ681_505
特急はくたか用 付属編成3連: W11~15編成
←金沢、福井⑦ ⑨越後湯沢、和倉温泉→
W13:クハ680_504–モハ681_4-クハ681_4
*W03~05、13~15は、もとTB用T編成
W03.13は2001年にT04.T14転用 W04.14は2002年にT05.T15を転用
W05.15は2009年にT06.T17を転用、その際③号車と⑧号車を入れ換え
所属 金沢総合車両所 参照:JR編成表2011年夏版
→参考 JR西日本「しらさぎ」681系 2000番台 しらさぎ用
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