伊予鉄道 610系(珍車ギャラリー#354)

伊予鉄道 610系(珍車ギャラリー#354)

伊予鉄道610系は、1995年にアルナ工機で製造されました。(2連×2本=4両)
市内線とは違い鉄道線では かねてから西武や小田急、そして長電など中古車の転入が多く、
導入された1995年頃はというと京王からの転入車である700系が主力となっていました。
そんな中で久々の自社発注車となった610系はステンレス車体でもあり大変目立った存在です。
しかし車体以外はというと、実は700系とほぼ同じです。
制御装置は、京王5000系の発生品である日立製MMC-HTB-20で、1C8Mを1C4M方式に変更している点も同じです。
台車も、軌間が同じということで装着された東武2000系のFS340です。
クーラーも三菱製集約分散式CU127R(冷凍能力10,500kcal/h)で伊予鉄道の標準形です。
ブレーキ も同じくHSC-D です。

ステンレス製の18m級車体は、両開きの3扉車で窓配置がdD2・2D2・2D1と東武鉄道20000系とよく似ていることから、アルナ工機が東武の注文を見越して造りすぎたものを転用したのだというウワサまであるようです。

ですが、こちらは車体幅が100mm狭く、また参考文献によるとそのステンレス素材にもこだわりが感じられます。
そしてなんといっても印象的なのはこの前面デザインです。
大きな一枚窓とこれまた大きな行き先表示板は地方鉄道の車両とは思えない強烈なインパクトを放っています。
加えてパンタグラフです。シングルアーム式の東洋製PT-7107-Tを搭載しました。
シングルアームといえば、1993年に新京成が8900系で採用したのが日本で最初です。
ちなみに1995年に導入されたE217系も、あのC-Flyerもシングルアームではありません。
目立つところにしっかり最新のメカを取り込んで見せたのです。
また伊予鉄道の車両で初めて車椅子スペースと優先座席が設置しました。

そうです。610系は伊予鉄道のイメージアップを託された系列なのです。

車体には伊予鉄道のシンボルカラーであるオレンジの帯を巻いていますが、これに濃淡をつけました。
以後、この濃淡をベースとした新塗装が700系・800系に採用されてゆきます。
610系がイメージリーダーとなったと申せましょう。

-鉄道車両写真集-
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参考文献:鉄道ピクトリアル 「新車年鑑 1995年版」 1995年10月 No612 の記事

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